マーケティング関連のおすすめ読書

以下に広告・マーケティング従事者が必ず読むべき書籍・持つべきものをあげる。

カテゴリーなどがランダムであるが、お許しいただきたい。

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これらの本を読んで私が考えたことは以下だ。是非参照してほしい。

  1. はじめに

広告会社はその事業領域を、コミュニケーションから統合的なマーケティング領域に拡張して久しい。その過程で、広告会社のストラテジックプランナーの役割も、「コミュニケーションへの戦略家」だけでなく「マーケティングの戦略家」へと転換が迫られている。

 しかし、そのような状況のなかで、うまくストラテジックプランナーの対応領域が広がった結果、疲弊やタンジブルな成果が感じられずに業界を去ってしまう人も増えている。

 そのような問題意識から、本論文では広告会社のストラテジックプランナーが活躍する領域を拡張するために、新たな戦場について考察を行いたい

 

  1. 広告会社のストラテジックプランナーの主戦場は「購買の促進」でいいのか

 広告会社の戦略プランナーがある種の主にとして背負っているのが KPI である。それが、ブランド認知、興味、理解、あるいは、クリック、コンバージョン、いかなる数値であれど、中間指標として「購買・契約」にヒットするという前提で作られている。

 確かに、それはビジネスの世界では重要であるが、本来のストラテジックプランナーが使命感をもつのは購買・契約だけで良いのだろうか。

 思えば、消費者は購買を目指しているのではない。購買はむしろ早く終わらせたいと思っている場合もしばしばではないか。例えば、エアポッズを買ったとき。買うのは一瞬。ネットでさっと調べて、みんな使ってるしで即決。ただ、その後、買った後にエアポッズ、アップルに思いを馳せることは数万回ある。

 2000年代に入ってから、アカデミック界で話題になっているサービス・ドミナント・ロジック、サービス・ロジックという概念を紹介し、ストラテジックプランナーの新たな戦場についての論考に繋げる。

 

  1. サービス・ドミナントロジック

 北米の学者がうんだ、ビジネスを考える上でのレンズ。

世の中のビジネスをスキル・ナレッジを使うという意味でのサービスを顧客と企業が交換しながら価値を共創していると捉えるレンズ・ものの見方である。具体的には、自動車ビジネスを「自動車とお金の交換」と見るのではなく、「安心安全な自動車を製造し、流通させ、知らしめて、購買してもらい、使ってもらうためのサポートを提供する企業のナレッジと、自動車を購入する貨幣を稼ぎ、自動車を運転するための試験に受かり、交通ルールを守って運転して、ドライブを楽しむ消費者のナレッジの交換」と見る。つまり、グッズを交換しているのではなく、プロセスを交換していると見ることができるレンズである。いささか難解に感じるかもしれないが、サービス・ドミナント・ロジックの実務的な示唆としては、マーケティングの重心を、交換価値(企業が決めるもの)から文脈価値(生活者が決めるもの)に移す考え方を提供したことがあげられる。

 具体的には、自動車に200万円を支払ったとしても、交換時点では価値は発生してない。ドライブすることを通じて、消費者が感じた価値(使用価値)こそがマーケティングが重要視するポイントとして捉えることの重要性を提起している。

 

  1. サービス・ロジック

北欧のノルディック学派が体系化した、マーケティングロジックである。

 サービス・マーケティング研究をベースにしつつ、マーケティングとはトランザクションではなくインタラクションを目指すことで、消費者にとっての使用価値を促進することであるというロジック。具体的には、自動車を交換する時点=取引を目指すのではなく、自動車購入時の情報伝達、カーナビの販売、事故修理サポートと行った一連の顧客とのインタラクションを通して顧客の使用価値を実現するプロセスであると捉えるということである。このサービスロジックは、マーケティング実務界に、マーケティングを考える際に、購買をゴールではなく、消費プロセスに入り込んだマーケティングを考えるために示唆を与えている。

 

  1. 広告会社の戦略プランナーの新たな戦場:「消費プロセスでのマーケティング戦略

 これら二つの学問領域でのロジックから、広告会社の戦略プランナーの戦場を広げるための重要な示唆を与えてくれる。

 それは、「目指すのは交換価値ではなく使用価値」「そのために必要なのはトランザクション志向ではなくインタラクション志向」そして「消費プロセスに入り込んで顧客の使用価値をイネーブルする存在になること」という戦い方である。

 思えば、今までのいわゆる「広告」は価値の提示しかすることはできない。バナー広告を見ることは交換には繋がるが使用価値には繋がらない。むしろ使用価値に繋がるのは購入したあとの綿密なサポート、ツール、製品の提供にある。(トライアングル)そして上記のことは全て消費プロセスで行われる顧客とのインタラクションである。

 つまり、これからの戦略プランナーは購買後の消費プロセスでのマーケティング活動の戦略を練るという戦場に踏み出すべきなのである。先程のAirPodsの例で考えると、そこには多くの価値が死蔵されているように思う。(買ったら放置、釣った魚に餌を挙げない。)

 なのに、今までは、買った後にどのような価値が生まれているのかについてはブラックボックス化している現状がある。ストラテジックプランナーは交換を目的に戦略を作り、その後消費者がどのように使用価値を感じているのか / 感じていないのかについては無関心だったのではないだろうか。